アダルトチルドレンからの脱却という意味で、よく「サバイバーからスライパーへ」という言葉が使われます。
サバイバーというのは、心の中に傷を負い、その中で苦しみもがきながら生きている人。
つまり、アダルトチルドレンもサバイバーの一種です。
一方、スライパーというのは、アダルトチルドレンから回復し、通常の生活を送れるようになった人たちのことです。
それぞれ、サバイブ(生き残る)、スライブ(成長)という単語から作られた言葉です。
アダルトチルドレンから脱却する為の方法はたくさんあります。
ただし、共通しているのは、過去の心の傷、成長過程における家族機能不全と向き合う事です。
もちろん、いきなりそれをしろ、というのは無理難題です。
アダルトチルドレンの繊細な心を尊重し、まず少しずつ自分と向き合う事が大切なのです。
アダルトチルドレンの中には、実際の両親とは違う、より凶暴に、より高圧的になった両親が住んでいます。
そして、彼等の心の中では常にその両親が自分の中の自分自身を批判し、中傷し、痛めつけています。
自分の中の自分は子供で、それに決して逆らえません。
まず、そのイメージを少しずつなくしていくことが大事なのです。
最近では、催眠療法などもアダルトチルドレンの治療には取り入れられています。
これは、過去の自分を呼び起こし、今の自分の中にいる作り上げた自分や両親を露見させ、それをなくさせる為の新たな認識を植えつけるためのものです。
イメージの中の両親や自分を、実際のもの、あるいは関係性が健全となるようなものに置き換える事で、回復が可能となるのです。
インナーチャイルドという言葉を、アダルトチルドレンと関連付けて使用する文献やサイトは非常に多いかと思います。
実際、アダルトチルドレンとインナーチャイルドとは、非常に密接な関係があります。
インナーチャイルドというのは、それぞれの心の中に潜んで入る幼児性のことで、その幼児性に人格を持たせたものを指します。
もっとわかりやすい言い方をすると、「大人の心の中の子供」です。
アダルトチルドレンと同じ意味の言葉ではありません。
アダルトチルドレンは、このインナーチャイルドが深く傷付いた状態を指します。
自分の中の子供の頃の記憶を持った人格、あるいは幼児性が傷付いたままでいる為、それがいつまでも心的外傷となって、大人の自分を苦しめます。
このインナーチャイルドの回復こそが、アダルトチルドレンからの脱却の鍵となるのです。
また、これに関連してインナーマザー、インナーペアレントといった言葉もよく聞かれます。
これらは、アダルトチルドレンの中にいる母親であり、両親です。
彼らの中には、幼少期に自分に対して批判した両親の存在が常に心の中に残っています。
そして、本当の両親とは違う虚像を、その中に作ってしまいます。
そういった両親の人格は常に高圧的で、その影にアダルトチルドレンは苦しめられます。
実際の両親を正すのではなく、このアダルトチルドレンの中の本人が作った虚像を消す事も、治療の為には必要です。
その為、色々と大変なのですね。
自分がアダルトチルドレンである場合とは違い、自分の近しい人がアダルトチルドレンの場合、その人に対しての理解は非常に重要となってきます。
アダルトチルドレンは、精神的な問題を多々抱えています。
例えば、過剰な依存などが挙げられます。
愛情に飢えていた事に起因し、自分を見て欲しいという過剰な束縛をするケース。
見捨てられる事にトラウマを持ち、どうしても自分から離れて欲しくないと考え、献身的にし過ぎるケース。
こういった事が問題として指摘されています。
例えば、自分の友達や恋人がアダルトチルドレンという場合。
この共依存を頑なに否定したり、真っ向から対立したりすると、危険につながる事があります。
アダルトチルドレンは自分の存在を否定されると、感情のコントロールができなくなり、きわめて攻撃性の高い状態になる事がしばしばあるからです。
カッとなりやすい、と言えばそれまでかもしれませんが、そのスイッチが極めて緩い、つまり簡単に入ってしまう事がよくあるのです。
アダルトチルドレンと思われる人と接する場合、重要なのは真っ向から否定しない事です。
もし、その後も関係を続けるのであれば、その共依存に対していきなり正面からではなく、少しずつ理解をさせ、少しずつ依存性を弱めるようにするのが一番良いでしょう。
問題は、関係を解消したい場合ですね。
特に恋人の場合、刺激せずに、というのは非常に難しいと言えます。
ここで役に立つのが、メールです。
カウンセラーなどと相談し、相手を傷つけないようにメールの文章でそれを伝えるというのが、一番刺激をしない方法と言えるでしょう。